ストレスと自律神経

#養生法

快と不快、解放と重圧、喜びと悲しみ、すべて正反対のものがあって、初めてその感覚を感じられます。

東洋医学ではこの原則ともいえる現象を、陰陽で表現しています。

陰と陽。どちらかが悪くて、どちらかが良いという考え方ではなく、またその性質が変わらないものとも考えず、陰極まれば陽に転ずという言葉もあって、極まれば性質が180度転換すると考えます。

 

今回はこの陰陽の法則を踏まえつつ、ストレスのお話。

当院では、身体の状態が不安定で(主に自律神経の不安定から起きる症状)、学校に通えない子供たちが何人か、年単位のお付き合いで施術を続けています。

男の子、女の子、それぞれ症状は違いますが、心に焦りや不安、プレッシャーがかかると、あっという間に症状は強く辛いものになっていきます。

そしてその状態を抜けて、学校に行ける日があると、実に穏やかな自信に満ちたお顔で来てくれます。

「今日学校いけました」と笑顔で言う彼らに本当に必要なものは、学校へ行ける自分であることです。

そのための身体と心を整えるために、年単位でのサポートが必要とされています。

 

ストレスと自律神経の関係は広く知られるようになり、多くの人がその関係性を肌で感じていることでしょう。

何か不安、気がかりがあれば寝つきが悪くなる、食欲不振になる、イライラする、生理不順になる、疲れやすくなる、風邪をひきやすくなる、じんましんが出やすくなるなど、コロナが流行している今では最も必要な体力、免疫力低下につながります。

ストレスがうつ状態を引き起こし、生きる力を奪うこともあります。

誰もがその可能性があり、有名人の自殺などは、日々限界を感じつつ頑張っている方にとっては他人事には感じられないかもしれません。

 

ストレス、怖くて嫌なもの、そう感じませんか?

ところがストレスというのは個人差が大きく、同じ出来事があっても、ストレスになる方もいれば、全然問題に感じない方もいます。

受け止め方は、感受性、信念、思考の癖、身体の状態などで個人差が大きいのです。

 

繊細で、周りの感情、外部の刺激に敏感な方は、多くの出来事、刺激がストレスになりやすい傾向があります。

ご自身にそのような傾向がある場合、ご自身の心と身体を守るために、心の境界線を作ってみてください。

・ここまでならOK、でもこれ以上は我慢できないなというラインを予め、決めておく

・この感情はどこから出てくるのか、何かに我慢しすぎていないかをしっかり考える時間を作る

・自身でコントロールできる部分と、出来ない部分が曖昧になっているようだったら、整理してみる

などです。

 

そして疲労がたまってきたら、これ以上は無理をせず、休養をできるだけ取るなどの身体のケアも大切です。

・早く寝る

・PC、スマホは時間を決めて長く触らない

・しっかり食べる

・身体を動かす

などです。

できれば身体のメンテナンスを定期的に受けられる治療院などを近くに見つけておくと良いです。定期的に身体の歪みを調整し、バランスを整える環境は、あなたの心と身体の健やかさを保つ助けになります。

 

ストレスによる症状は、心と身体からの軌道修正のためのサインです。

最悪だと思える状態から、もっとより良い方へ歩むために、大きく変えるチャンスになります。

「ピンチ」は「チャンス」で陰陽の法則から行くと、最悪も最高も紙一重です。表と裏のように、視点を変えると全然違うものになります。それは長く経たないと気が付かないこともあるでしょうし、ふとした時に腑に落ちる類の気づきかもしれませんが。

 

私は心の癖で、必要以上に自身を「ピンチ」に追いやる子どもたちに、身体からのアプローチで調和を図る方法を伝えています。

身体が不安定になると、不安は増し、自身への信頼感は小さくなっていきます。

こんな風に立て直す方法があるよというのを、その度に伝えています。

 

自律神経、内分泌のバランスはストレスで揺れます。

揺れを小さく、早く調和を取り戻すために、心と身体の声に耳を傾けてくださいね。

 

あなたの健康と幸せを祈っております。

 

 

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