ストレスは身体の痛みにつながる
年齢を経るごとに痛みや挫折の記憶も積み重なり、同じような体験をしている人への共感度は高くなります。
子どもを持ってからは、虐待など子どもへの暴力などのニュースを見ると、他人の子どもに対しても自身の子どものような感覚に陥り、胸が締め付けられるような痛みを覚え苦しみます。
同じような思いを持つ中高年女性も多いのではないでしょうか?
私たちは多くの痛みの記憶(心、身体を問わず)を持って生きています。
痛みの記憶は脳の奥深いところにあり、ちょっとした引き金で呼び起こされ、心をざわつかせ緊張した状態になります。それは身体の痛みや症状につながります。
ストレスは痛みの原因になる
心身症という言葉をご存知でしょうか?
心身症というのは、身体の症状が心のストレスによって引き起こされるものをいいます。日常生活で仕事や対人関係などのストレスが生じているにも関わらず、自身ではそのストレスに気が付いていないことは往々にしてみられます。
自覚していないので身体に起きている症状が、心に由来するものであることにはなかなか気が付きません。
ただひたすら身体の症状が辛い、こんな状態に陥ります。
このような症状
過敏性腸症候群、本態性高血圧、アトピー、頭痛、身体の痛みなどが心身症で起きやすい症状です。
その他多いもので、動悸、気持ち悪さ、胃もたれ、倦怠感などもよく見られます。
「病院で検査をしても異常所見は見られない」
このような場合は心も大きく関与している場合が大きいのです。
鍼灸での対応
実はこの心身症、鍼灸院では実に多く見られるものです。
鍼灸は「心と身体」を同時にみていく施術方法なので、心の状態も身体の反応点で見ていきます。
経絡という身体をつなげるエネルギールートをみてきます。
「何それ?」と思うかもしれませんね。
例えば皮膚に出ている反応点を触ったり、お灸をしたり、鍼を入れたりすると、急にゴロゴロとお腹が動き始めます。
余分な水分がたまっている場合(お酒を飲む方や甘いものを好む方には多い)、下痢になることもあります。
これは体性内臓反射といいます。
皮膚に出ている反応点(ツボといわれるものですね)→鍼で刺激→感覚神経→脳→自律神経→胃腸が動く→排泄
こんな機序が働いています。
「鍼をしてもらうと帰ったら必ずトイレ行きたくなって、最近お腹がスッキリしてきました!」
こんなお喜びの声を頂きます。
心の痛みも身体からアプローチをする鍼灸
冒頭で心の痛みは脳の奥深いところにあり、それが何らかの引き金で、実際の痛みを引き起こすことをお伝えしました。
心が緊張すると、交感神経が興奮し、血管が収縮します。筋肉も固く緊張し、肩こりや腰痛を自覚します。お腹が過剰に動き始めると、お腹が張って痛みを引き起こします。
アドレナリンなどのストレスホルモンが分泌され、血圧や血糖値を上げ、長期にわたると胃を傷めます(胃潰瘍)。
それらの症状を鍼灸は、身体に出ている反応点を処理していくことで、バランスをとっていきます。固く緊張した身体を緩めるポイントを見つけ、異常に亢進している交感神経の働きを抑え、副交感神経優位に持っていきます。
簡単に言うと「鍼によって深いリラックス状態に持っていく」ことで、改善に導いていきます。
オンになりっぱしの心の緊張をオフにする
ず~っと緊張が続くと、心と身体は参ってしまいます。
今は無自覚にその状態になっている女性が増えています。
そして気づくとリラックスしたくてもできない状態になっていて、自分ではコントロール不能になっていることもあります。
そこまで頑張らないでくださいね。
そしてもし、あなたがそういう状態なのだとしたら、どうぞ鍼灸を試してみてください。
お力になれると思います。