手が持ち上がらない!~橈骨神経麻痺のお話~
60代女性から、先日電話がかかってきました。
「先生、朝起きたら手が動かなくなっていて。脳かと思って、慌てて病院に行ったら橈骨神経麻痺っていわれました」
彼女は病院での電気治療を始めていたのですが、不安になったそうです。
こちらでも施術を受けたいとのご希望でお電話をいただきました。
橈骨神経麻痺とは
橈骨神経というのは、手首や指を伸ばす筋肉に指令を出す神経です。また手の甲の感覚をつかさどります。
この神経が麻痺をすると、手の甲がしびれたり、手首が持ち上げられなくなり、手が使いにくくなります。
手がブラ~ンとした状態になってしまうのです。
ではなぜ麻痺が起きるのか。
それは二の腕を圧迫して起こることがほとんどです。
橈骨神経は二の腕をぐるりと回って肘の方へ降りていきます。
二の腕の真ん中から肘にかけては、神経と骨の間にクッションとなるような組織はないため、長時間圧迫すると神経が傷ついてしまうのです。
今まで見た患者さまの中では眠っている間に、腕が下敷きになっていて、朝起きたら動かなくなっていたケース。
満員電車で椅子のパイプに腕が長時間押し付けられて、電車を降りたら、手が動かなくっていたケースなどなど。
皆さま、共通するのは長時間の圧迫でした。
橈骨神経麻痺への鍼灸
この場合神経が障害されているので、やはり回復には時間がかかります。
一般的には数週間~2か月程度回復に時間がかかるといわれています。
鍼灸施術は、この神経の回復を助けるために、橈骨神経を狙って鍼をしていきます。
血行の改善を促すのです。
同時に軽い体操も行って、動かない手によって発生する肩こりを軽減していきます。
神経が麻痺すると筋肉はどうしても一時的に痩せていきます。
出来る限り動かせるところは動かして、回復を促進させます。
今回の女性はおよそ10日過ぎには動かせるようになっていきました。
手が動かせない状態になったら
まずは病院受診が基本です。
何が原因なのかをまず検査するのが大事です。
麻痺というのはどんな病気が隠れているのか、検査しないと分かりません。
脳ではない、そして命に心配はないことが分かったら、鍼灸もぜひ併用してみてください。
回復を助けることができると思います。
ご相談くださいね。