【生理痛・月経前症症候群】辛いPMS症状への対処方法
PMS(月経前症候群)って何?
PMSは、生理前後の心とからだに起きる不調のことをいいます。
症状は生理前の10~14日前に始まります。
ちょうど排卵後に当たる時期のこの不調について詳しく見ていきましょう。
女性ホルモンとは
卵胞ホルモン(エストロゲン)~女性らしさを作るホルモン~
・胸やお尻に丸みを持たせ、子宮の発達を促し、女性らしいからだをつくる
・子宮内膜を厚くする
・自律神経のバランスを整える
・お肌をきれいにする
・骨を丈夫にする
黄体ホルモン(プロゲステロン)~妊娠を助けるホルモン~
・子宮内膜の厚さを維持して、受精卵が着床しやすい状態にする
・妊娠を維持させる
・体内の水分を保持
・食欲を増す
・基礎体温を上げる
女性のからだは、この二つのホルモンに影響されます。
排卵のリズムがある女性の場合、排卵から月経までの期間にこの二つのホルモンが多く分泌されます。ところが月経前に急激に分泌が低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすようです。
この状態に加え、脳内のホルモン分泌や神経伝達物質はストレスなどの影響も強く受けるため、悪条件が重なるとPMSは強く出てきます。
PMSで起きる症状
1.心の変化
✅イライラし、怒りっぽくなる
✅気分が落ち込んだり不安になる
✅涙もろくなる
✅集中力が落ちる
✅ずっと眠かったり、夜眠れなかったりする
2.身体の症状
✅腰痛、腹痛、頭痛が起きる
✅手足の冷えやむくみが気になる
✅便秘や下痢になりやすくなる
✅食欲が増したり、低下したりする
✅疲れやすい、体重が増える
✅ニキビ・肌荒れが出る
PMS対策
それではこのホルモンの変動に対してどのように対応できるのか、見ていきます。
🍃食事
【生理前の甘いもの欲求対策】
「生理前の甘いものへの欲求が強くなる」お悩みをよくお聞きします。
生理前は黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用で、インシュリン(血糖値を下げるホルモン)の効き目が弱くなります。
そのため血糖値が不安定になり、いつもよりもインシュリンは大量に分泌されています。
大量に分泌された分、食事の2~3時間後に低血糖を起こしやすく、甘いものが食べたくなるのです。
この場合は、血糖値が急激に上がるお菓子類は避けないと、このインシュリンの急激な上昇・低下の負のスパイラルから逃げられません。
血糖値を安定させるためにも、糖質、タンパク質、脂質、ミネラルのバランスを考えた食事を心がけて取りましょう。
【神経が過敏・興奮しているこの時期に摂るべき栄養素】
・ビタミン類、カルシウム、マグネシウム(ブロッコリーなどの緑黄色野菜、木の実類、海藻類、乳製品、卵、鶏肉などの肉類、カツオなどの魚類)
【避けるべき食材】
カフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶、栄養ドリンク類)、アルコール、塩分の濃いもの
🍃運動
運動も血糖値を安定させ、血行を促進するのに大変有効です。
ストレッチ、散歩、深呼吸など、できることから無理なく始めてみて下さい。
🍃お風呂に入る
身体を温めましょう。
シャワーだけでは筋肉はほぐれません。
冷え性女子はお風呂に毎日つかる習慣を身につけることから、温かなからだの第一歩が始まります。
🍃心の安定
PMSで起きる情動の不安定は、脳内の神経伝達物質セロトニン(幸せホルモン)の低下によるものが考えられます。
セロトニンが低下すると、うつ傾向が起きやすいのです。
このセロトニンの分泌を促進させるのに有効なのが、鍼灸施術なのです。
また身体が冷えて辛いという症状、こちらも鍼灸で改善がかなり期待できます。
PMSと鍼灸
🍃鍼灸の効果は
1.局所の血流増加(温かい身体になる)
2.筋肉の緊張緩和(からだがほぐれる)
3.免疫の活性化(強くなる)
4.脳内でモルヒネ様物質の分泌を促し、鎮痛効果をもたらす(痛みの軽減)
5.前頭葉の活動や、自律神経の調整に関与(自律神経失調症状が楽になる)
6.オキシトシン(愛情ホルモン)の分泌を促し、セロトニンの分泌を増加させる(不安感やストレスを軽減させる)
🍃なぜ鍼灸にはこのような効果があるの?
鍼灸は皮膚を通して脳や内臓を刺激する施術方法です。
皮膚は発生学的に脳と同じ外胚葉由来です。
皮膚からの刺激は、神経を介して内臓や脳へ伝わり、からだの血行を改善し活性化するのです。
あるツボを介せば、子宮の血行が良くなったり、胃腸が動き出したりといった効果が見られます。
皮膚から脳や内臓に作用できるとても便利な施術方法です。
ぜひメンテナンスの一部に取り入れてみて下さい。
改善速度が増します。
和漢サプリメント「巡良」
さて生活習慣改善(食事・運動・お風呂)と、鍼灸施術にプラスしてお勧めのサプリメントを最後に紹介しますね。
【主要成分】
1.チェストベリー乾燥エキス
ギリシャ・ローマ時代から婦人科疾患の治療に使われてきました。欧州の薬局では公定書にも記載され、品質、有効性、安全性が承認されています。女性ホルモンのバランスを整え、セロトニン(幸せホルモン)の低下を防ぐため、イライラ軽減をサポートします。
2.ポラージシードオイル
必須脂肪酸のα-リノレン酸が、痛みを伴う炎症性疾患や、アトピー性皮膚炎、アレルギー疾患の改善や正常で健康な皮膚の構造と機能に役立つとされています。必須脂肪酸はからだにとって大切な役割をもつものの、体内では作れないため、食事やサプリで補うのがお勧めです。
3.和漢エキス
生薬エキスが「血」の巡りを促し、冷えや便通改善をサポートします。生理に伴うイライラや痛みの改善が期待できます。
1日3粒、3か月間を1クールとしてぜひお試しください。
院内で販売しています。
※ピルなどのホルモン剤を服用している方は、併用はできません。
まとめ
辛いPMS症状を抱えている女性は本当に多いです。
10代の頃から鎮痛薬をずっと服用している方や、何年もピルでコントロールしていたり。
そんな彼女たちがある日「赤ちゃんが欲しいな」と望み、生理にまつわる不調を改善するために当院へいらっしゃいます。
彼女たちのからだをいつも見ていて感じることは「冷え」です。
固いお腹。
冷えている足。
ストレスでガチガチになっている首肩。
慢性腰痛。
こんな状態のからだを抱えて、日々頑張っている女性。
生理(排卵から排泄まで)はホルモン分泌の激変を伴うダイナミックなからだのリズムで起きます。
この変化に耐えるからだを作るため、日々鍼灸と整体でサポートしています。
まずは温かでしなやかなからだを取り戻すことを目標にしてみてください。
それは可能なことです。
そのために必要なことをお伝えしています。
ご相談くださいね。