美容鍼の唯一のデメリット[内出血]1
内出血(青あざ)
ずっと記事にしたかった内出血のお話。
なかなか内出血することがなく画像がなかったため、ずっと保留中でしたが、先日私の口元に内出血が起きたので、写真が撮れました。
鍼灸治療院を開設して以来、内出血問題は常に課題でした。鍼灸の効果は本当にありがたいもので、メリットを数えるとやはり手放せない技術です。唯一のデメリットが内出血で、毛細血管に鍼が当たってしまうと、皮下でぷくっと出血して、少しの間腫れて、皮膚が青くなります。「青あざ」です。きれいに消えるまでに3週間ほどかかり、見た目はやはりよろしくありません。
これは皮下に毛細血管があるために起こることで、同じ方へ同じように鍼をしていても、出来るときは出来るし、出来ないときは出来ないので、予測も避けることもできないのです。直径0.12㎜の細い鍼で皮下2㎜のところへ入れただけでも、内出血が起こることもあれば、直径0.2㎜の比較的太い鍼で筋肉まで3~5㎝入れても、内出血はほとんど起きなかったりします。
内出血はなぜ起きる?
ただ内出血が起きる条件が、少し分かってきました。
そのきっかけは、肩の動きが制限されていて、ちょっと動かしただけでも激痛が走るという女性への鍼灸施術からです。
彼女の肩の筋肉は固く緊張していて、なおかつ痛みで動かせないために「萎縮」と言って筋肉が痩せてきている状態でした。痛みをとって動かせるようにしないと、筋肉はどんどん弱くなります。
施術は全身調整と、肩への鍼を週2回半年ほど行いました。最初の内、彼女の肩は毎回青あざができて、痛々しいほどでした。どんなに細い鍼を使って、浅めに刺鍼しても、大きな青あざになってしまうのです。肩に鍼をすることに抵抗を感じるほどの青あざでした。
けれど青あざで痛みが出ることはないのです。肩の筋肉の血行を良くして、関節の可動域を広げることが最優先課題だったので、色々工夫しながら鍼を続けました。すると不思議なことに1ヶ月ぐらい経つと、青あざができなくなっていったのです。
そして肩の痛みはだんだん引いていき、動かせるようになりました。今では肩の痛みはなくなり、自由に動かせるようになっています。
その体験から、青あざは血行が悪いところで起きやすいことが分かったのです。血行が悪く滞っているところに鍼を打つと、毛細血管の脆弱さからか?出血を起こします。ところが血行が良くなって、毛細血管の状態が良くなると、弾力が回復した血管が逃げてくれるのか、鍼を入れても出血しなくなるのです。
小さく壊して、再生を促す
鍼を入れて内出血が起きる部分は、滞っているところをいったん小さく壊して、きれいに再生していくイメージです。
慢性痛の施術も実は同じで、炎症が治りきらずにずっと小さな炎症が起きているところへ、鍼を入れて小さな傷を作るわけです。小さな傷ができたところは、身体が傷の修復のために血液を集め、コラーゲンやエラスチンなどのたんぱく質を出して、細胞の修復に入ります。いったん壊して、きれいに再生しています。
お顔に青あざができてしまうのは、施術者としてもやはり残念な気持ちになるのですが、痕が残ることはまずありません。傷が治ると、きれいなお肌になっています。滞っていたところが、鍼によって小さく壊され、再生されたからです。
私はこの原理を理解してからは、内出血、青あざの見方が変わりました。青あざは再生の過程です。見た目はよろしくないですけれどね。
人に会う予定や、大事な会合、または写真撮影などがある場合は、やはり7~10日ぐらい前までに美容鍼施術を済ませておいた方が良いでしょう。
ファンデーションでごまかせる場合がほとんどですが、あざの大きさや場所などは状態にもよります。余裕を持ってお手入れのスケジュールを組んでくださいね。