帯状疱疹
突然の肩と胸の痛み
先日の土曜日、肩と胸の強い痛みを訴えて、月曜日の予約日まで待てずにいらっしゃった60代後半の女性のお話です。
ある朝右の前胸部が痛み始め、だんだん右半身全体が痛みだしたそうです。肋骨周りが特に痛みます。
「先生、内臓の病気かしら?」と心配そうなご様子です。痛むポイントを見ていくと、肋間神経に沿って反応が出ています。
この痛み方から考えられるものは?
「胸に湿疹は出来ていませんか?」
「え?湿疹?あ、そういえば。」といって胸を見せてくれました。こちらの想像通り、胸骨のあたりに赤い水疱がみられます。「これね、帯状疱疹だと思います。ウイルスによる神経の炎症。水疱瘡のウイルスがまた活動し始めてしまったかもしれません」
「なんかできているなぁとは思っていたんだけど。帯状疱疹って聞いたことはあるけど、まさか自分がかかるなんて」
「多分水疱が拡がっていくと思いますので、病院へ行ってくださいね。」
本日月曜日、ご報告のお電話を頂きました。やはり帯状疱疹だったそうです。
帯状疱疹の特徴
・身体の左右どちらかに、ピリピリと刺すような痛みがまず起こります
・その後赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状に出てきます
・水疱瘡と同じウイルスによって起こります
・60代を中心に起こりやすく、過労やストレスが引き金となります
・湿疹が引いた後に神経痛が残ることがあります
帯状疱疹後神経痛に対する鍼灸
帯状疱疹後、水疱が消えた後も、痛みが残ることがあります。
痛みは神経線維が、ウイルスによって傷つけられてしまうことで起きます。神経の過剰な興奮、痛みを抑制する経路の障害などが起こり、痛みに過敏な状態が起こります。
このような場合、鍼灸施術がお役に立てます。水疱が治った後にも、痛みが続くようでしたら、鍼灸を試してみてくださいね。